宇宙から来た石コスモクロア、、、本当??
2011年 08月 19日
(どぎついほど)鮮やな緑色にクロっぽい斑が入る石は、濃い色が詰まった斑の多い翡翠とそっくりなのですが、このクラスの翡翠と比べると驚くような価格がつけられています。
さて、コスモクロアとは何でしょうか?
実は、コスモクロアとは宇宙から来た隕石に含まれていた緑の物質につけられた名前です。
この隕石の発見は1965年に科学専門誌で発表されたのですが、その時発見された隕石の中に含まれる緑のミネラルは、その時まで地球に存在していないと信じられていましたので”コスモクロア”と命名されました。
それよりも前の1963年にミャンマーのモウシッシMaw-shit-shit村で鉱物学者が翡翠輝石を含む緑色の石を発見していますが、その石は発見された場所の名前をとってモウシッシという名でマーケットで取引されていました。
実は、さきに命名されたコスモクロアは、その前に発見されたモウシッシの緑の成分と同じものだったのです、、、、と公式に発表されたのは上記の発見からずっとずっと後になってからのことでした。
、つまり、モウシッシという石の緑色成分がコスモクロアだったのでした。
モウシッシに関して言うならば、以前は ”なんだー翡翠かと思ったらそうじゃなかったのー??えー??モウーS、、、S,,,,!と冗談を言ったくらいに、私の中ではナンチャッテ翡翠のような位置づけだったのですが、いやいやとんでもない!最近はこれが希少品として扱われるようになりその価値が上っています。
需要が高くなったせいなのか、或いは掘りつくしてしまって本当に希少になっているのか定かではありませんが、ミャンマーでもあまり原石を見なくなっています。
中国では鉄龍星(テイロンセイン)として翡翠同様に地位を確立しており、愛好家が多いと聞きます。
石の性質上、斑が魅力的なので、それが見えるバングルやペンダントヘッドなどに好んで加工されています。
さて、こちらはそのコスモクロアを多く含むモウシッシの原石です。
神秘的!
こちらはカットしてカービングを施したものです。
石自体の斑を生かすためにカービングはあまり細かいものは適しません。
なんだかパワーを感じさせてくれる石ですね。
モウシッシという呼び方よりもコスモクロアと呼んだほうがずっと素敵な感じがしますが、中国名の鉄龍星(テイロンセイン)もなんとなく神秘的な響きです。
それでは!
P.S. モウシッシとは、翡翠輝石、コスモクロア、層長石、ソーダ沸石などなどを含むものです。