翡翠の子猫
2013年 04月 03日
バンコクなら留守中にお世話をしてくれるところだって手軽に見つかるし、仕事場だって連れて行けるし問題ないようなんだけどやはり飼えないのは家を空けることが多いからです。
ある事件が頭から離れない、、、ということも理由の一つ
それはもう7-8年前のこと。 私達は小さな魚を3匹水槽で飼っていました。 めだか大の小さな魚ですが、それを選んだのはセントラルデパートの観賞魚売り場の人のおすすめで”素人でも簡単に育てられる魚”と推薦されたからです。
ある日、日本に10日間行くことになりその間の魚のお世話をタイ人のメイドさんにお願いしました。
お世話代を前渡したのがまずかった、、、、
10日ぶりに帰ってみると水槽の水は半分に減っており、3匹居るはずの魚が2匹だけ水槽の底に沈みそうなかんじでやっとこ生きていました。 明らかに餌を与えるのを忘れていて慌てて来てみたら1匹死んでいた!というのではないだろうかと思われました。(後でメイドさんを問いただしたところ、”最初から2匹しかいませんでしたよー!アハハ!と言われましたけど、、)
とにかくなにをさておきすぐに餌をぱらぱらと水槽に落とすと2匹のうちの1匹が力なくよろよろと浮かび上がってきてはパクリと一口食べて沈んでいき、また浮かんできてはパクリ、、、を繰り返しました。 もう1匹はどうやら卵をかかえているようでお腹がおおきく、そのせいもありまったく浮かび上がってきません。
ところが、元気になった1匹は水底にもぐっていきぐったりとしている魚を”つんつん”とつついて”ご飯がきたよ、ご飯がきたよ!”と何度も教えているようでした。 胸が詰まりながら見ていたときのあの気持ちは今でもよみがえります。
もうそんなことがあってから自分達自身が責任のもてる範囲でないとどんな動物も飼えない!と思ったものです。 小さな心ある魚を餓死させてしまった苦しみは今でも忘れられません。
そんなこんなで、犬が大好きなのになかなか飼おうとは決心できないのです。 飼い主が長いこと留守にするとさぞ淋しい思いをするのではと思いますしね。
そんな犬好きの私ですがも翡翠のカーバーのご両親の家に居る子猫の無邪気さと気まぐれで理解しにくい行動を都度つどみているうちに猫にも目が離せなくなりました。
猫、特に子猫の表情って本当に愛らしいですもんねー。
(こちらはカーバーの家の子猫ではありません。 サンプルフォトをネットから検索)
そんなことを思うようになったタイミングで”翡翠で猫のカービングを作る!”という企画が持ち上がり、それでは!と今まで以上に猫を観察するようになりました。
それから様々な猫モチーフのジュエリーを検索して参考にしようとしたのですが、どうやら猫のお顔を金属や石などの硬いもので彫るのは難関のようで、なかなか”可愛い”といえる猫の顔を持ったジュエリーに探しあたりません。
仕方が無いのでいろいろな写真を見たり、生きた猫の表情を研究したりで随分と長い時間を猫研究に費やしました。
(ネットからサンプル図案をお借りしました)
そうこうしてやっと2つの構図が決まりワックスでモデルを作成するに至りました。
そのうちの一つが今回製作する作品となりました。
柔かいワックスでも猫の表情を可愛くだすのは難しかったようです。
ワックスモデルを作成するのさえが長い道のりでしたが、弊社のカーバーはその苦労を汲んでくれたようで、かなり忠実に翡翠でカービングしてくれました。
それがこちら
まだ完成品ではありませんが、鈴にみたてたアコヤをぶら下げるとこんなふうになるかな、、と言う感じで置いてみました。
横顔の表情、頭から肩のラインなどなど、硬い翡翠ではとても出しにくいところなのですが、カーバーが時間をかけ、猫を観察しつつ作っています。
Sheenに並ぶのはまだまだ先ですが、その前に日本でニャンする予定です。
可愛くて手放すのが惜しくなってしまいそうな子猫ですが、いずれ猫ラバーのお手元で可愛がられることでしょうね。
それでは!